Wraith StealthとNoctua NH-U12Sの冷却性能比較レビュー
これまで自宅PCのCPUクーラには、Ryzen5 2600を買ったときに付属していたWraith Stealthを使用していたのですが、最近NoctuaのNH-U12Sに換装しました。交換前と後で冷却性能を比較することができたので、どのくらい性能が違うか見てみたいと思います。
テスト環境
まずは、CPUファンを取り付けたPCケース内部の写真から。
こちらが、Ryzen5 2600付属のWraith Stealthを取り付けた状態。
こちらは、NH-U12Sに換装後の写真
AMD Wraith StealthとNoctua NH-U12S
Wraith Stealthは小型でトップフロー型、NH-U12Sはサイドフロータイプです。
Ryzen5 2600付属のWraith Stealthの写真
LEDとか何もついていない、一番安価なやつ。ファンの直径はだいたい95mm、高さは60mmぐらいです。
Noctua NH-U12Sの写真(ボケてるが)。
NH-U12Sは高さが158mmありますので、ミドルタワー以上のケースじゃないと収まらないと思います。 (NH-U12Sの詳細は、メーカの仕様のページか、PC Watchのレビュー記事が詳しいのでそちらをご覧ください。)
冷却性能
今回は、CPU-ZのストレステストモードでCPUに負荷をかけて、HWiNFOで、CPU温度とファンの回転数を記録して比較しました。
まずは、CPU温度から。
負荷テスト前の温度がすでに、Wraith Stealthの場合で35℃、NH-U12Sで28℃くらいでだいぶ違います。負荷をかけると、Wraith Stealthでは温度が急激に上昇して最大で70℃以上になるのに対して、NH-U12Sでは、55℃程度と冷却性能にだいぶ差がでました。
続いて、ファンの回転速度。なお、今回のテストではBIOSの回転速度制御をサイレントに設定しています。
Wraith Stealthが、最大で2000rpm弱まで到達しているのに対して、NH-U12Sは800rpm程度と半分以下でした。
静音性
気になる静音性ですが、
- Wraith Stealthの場合:アイドリングではほとんど無音。ただし、負荷をかけると(そこまでうるさくないけど)回転音が聞こえる。
- NH-U12Sの場合:フルロードでもほとんど回転音がしない。
という感じでした。AMDのWraith Stealthも結構頑張ってますが、NH-U12Sはファンも放熱フィンも大きい分、静かで冷却性能が高いですね。
補足1: Ryzen発売前にNH-U12Sを買った場合、AM4ソケット用のリテンションキットが付属しませんが、無料で入手することができます。 入手方法を以下に書きました。(今から、Ryzen用に購入を考えている場合は、NH-U12S SE-AM4を購入するとAM4用のマウントキットが付属しています)
補足2:この記事に貼っているグラフを作成するのに使った、pythonスクリプトを以下に貼っておきます。
HWiNFOのcsv形式のログファイルをグラフ化するPythonスクリプト
import codecs import pandas as pd import matplotlib import matplotlib.pyplot as plt plt.style.use('ggplot') df_amd = pd.read_csv("181020_defaultCooler.csv") df_noctua = pd.read_csv("181020_Noctua_NH-U12S.csv") df_cputemp = pd.concat([df_amd["CPU (Tctl/Tdie) [°C]"].rename("Wraith Stealth"), df_noctua["CPU (Tctl/Tdie) [°C]"].rename("Noctua NH-U12S")], axis=1) df_cpufun = pd.concat([df_amd["CPU [RPM]"].rename("Wraith Stealth"), df_noctua["CPU [RPM]"].rename("Noctua NH-U12S")], axis=1) ax = df_cputemp.plot() ax2 = df_cpufun.plot() ax.set_ylabel("CPU Temp [C]") ax2.set_ylabel("CPU FAN [RPM]") plt.show()